連立方程式
二元一次方程式
\[3x+4y=32\] のように、2つの文字を含む等式を二元一次方程式という。方程式を成り立たせる文字の値の組を解という。
二元一次方程式の解は無数にある。
連立方程式
\begin{cases}3x+4y=32 \\ x+y=9\end{cases} のように、2つの方程式を組み合わせたものを連立方程式という。二つの方程式を同時に成り立たせる文字の値の組を解という。
連立方程式の解は1組である。
連立方程式の解き方
加減法
(1)と(2)の式の左辺どうし、右辺どうしを加えると、\(x\)を消去することができる。 \begin{cases}2x+y=5 & (1)\\ -2x+3y=7 & (2)\end{cases} \begin{eqnarray}2x+\ \ y=\ \ 5 \\ \underline{+) -2x+3y=\ \ 7} \\ 4y=12\end{eqnarray} このように、連立方程式の左辺どうし、右辺どうしを加減することで、一方の文字を消去する方法を加減法という。【例題】次の連立方程式を解きなさい。
(1)\begin{cases}4x+y=10 & (1)\\ 3x+y=6 & (2)\end{cases}
\((1)-(2)\) \begin{eqnarray}4x+y=10 \\ \underline{-) 3x+y=\ \ 6} \\ x\hspace{17pt}=\ \ 4\end{eqnarray} \(x=4\)を\((1)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}4×4+y &=& 10 \\ 16+y &=& 10 \\ y &=& -6\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=4 \\ y=-6\end{cases}
(2)\begin{cases}3x+5y=14 & (1)\\ -3x+2y=-7 & (2)\end{cases}
\((1)+(2)\) \begin{eqnarray}3x+5y=\ 14 \\ \underline{+) -3x+2y=-7} \\ 7y=\ \ \ 7 \\ y=\ \ \ 1\end{eqnarray} \(y=1\)を\((1)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}3x+5×1 &=& 14 \\ 3x &=& 9 \\ x &=& 3\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=3 \\ y=1\end{cases}
(3)\begin{cases}5x+2y=8 & (1)\\ x+3y=-14 & (2)\end{cases}
\((1)-5×(2)\) \begin{eqnarray}5x+\ \ 2y=\ \ \ \ \ 8 \\ \underline{-) 5x+15y=-70} \\ -13y=\ \ \ 78 \\ y=\hspace{5pt}-6\end{eqnarray} \(y=-6\)を\((2)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}x+3×(-6) &=& -14 \\ x &=& 4\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=4 \\ y=-6\end{cases}
(4)\begin{cases}3x-7y=2 & (1)\\ 2x+3y=9 & (2)\end{cases}
\(2×(1)-3×(2)\) \begin{eqnarray}6x-14y=\ \ \ \ \ 4 \\ \underline{-) 6x+\ \ 9y=\ \ \ 27} \\ -23y=-23 \\ y=\ \ \ \ \ 1\end{eqnarray} \(y=1\)を\((1)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}3x-7×1 &=& 2 \\ 3x &=& 9 \\ x &=& 3\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=3 \\ y=1\end{cases}
代入法
(1)の式を(2)の式に代入すると、、\(y\)を消去することができる。 \begin{cases}y=3x & (1)\\ 5x+2y=22 & (2)\end{cases} \begin{eqnarray}5x+2×3x=22\end{eqnarray} このように、代入によって一方の文字を消去する方法を代入法という。【例題】次の連立方程式を解きなさい。
(1)\begin{cases}x=-2y+3 & (1)\\ 2x+5y=5 & (2)\end{cases}
\((1)\)を\((2)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}2(-2y+3)+5y &=& 5 \\ -4y+6+5y &=& 5 \\ y &=& -1\end{eqnarray} \(y=-1\)を\((1)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}x &=& -2×(-1)+3 \\ x &=& 5\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=5 \\ y=-1\end{cases}
(2)\begin{cases}7x=-3y-5 & (1)\\ 7x+5y=1 & (2)\end{cases}
\((1)\)を\((2)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}(-3y-5)+5y &=& 1 \\ 2y &=& 6 \\ y &=& 3\end{eqnarray} \(y=3\)を\((1)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}7x &=& -3×3-5 \\ 7x &=& -14 \\ x &=& -2\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=-2 \\ y=3\end{cases}
いろいろな連立方程式
【例題】次の連立方程式を解きなさい。
(1)\begin{cases}x+y+13=2(x-3y) & (1) \\ 4x+5y=-14 & (2)\end{cases}
\((1)\)のかっこをはずすと、 \[-x+7y=-13\ (3)\] \(4×(3)+(2)\) \begin{eqnarray}-4x+28y=-52 \\ \underline{+) \ \ 4x+\ \ 5y=-14} \\ 33y=-66 \\ y=\hspace{5pt}-2\end{eqnarray} \(y=-2\)を\((3)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}-x+7×(-2) &=& -13 \\ -x &=& 1 \\ x &=& -1\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=-1 \\ y=-2\end{cases}
(2)\begin{cases}1.2x+0.3y=1.8 & (1) \\ 2.8x-0.4y=2 & (2)\end{cases}
\((1),(2)\)の両辺に10をかけて係数を整数にする。 \begin{cases}12x+3y=18 & (3) \\ 28x-4y=20 & (4)\end{cases} \(4×(3)+3×(4)\) \begin{eqnarray}48x+12y=\ \ 72 \\ \underline{+) 84x-12y=\ \ 60} \\ 132x=132 \\ x=\hspace{10pt}1\end{eqnarray} \(x=1\)を\((3)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}12×1+3y &=& 18 \\ 3y &=& 6 \\ y &=& 2\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=1 \\ y=2\end{cases}
(3)\begin{cases}\frac{1}{2}x+\frac{2}{3}y=\frac{4}{3} & (1) \\ \frac{3}{4}x-\frac{1}{2}y=\frac{7}{2} & (2)\end{cases}
\((1)\)の両辺に6,\((2)\)の両辺に4をかけて係数を整数にする。 \begin{cases}3x+4y=8 & (3) \\ 3x-2y=14 & (4)\end{cases} \((3)-(4)\) \begin{eqnarray}3x+4y=\ \ \ 8 \\ \underline{-) 3x-2y=\ 14} \\ 6y=-6 \\ y=-1\end{eqnarray} \(y=-1\)を\((3)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}3x+4×(-1) &=& 8 \\ 3x &=& 12 \\ x &=& 4\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=4 \\ y=-1\end{cases}
(4)\[3x+8y=x+y=5\]
次の連立方程式に直して計算する。 \begin{cases}3x+8y=5 & (1) \\ x+y=5 & (2)\end{cases} \((1)-3×(2)\) \begin{eqnarray}3x+8y=\ \ \ \ \ 5 \\ \underline{-) 3x+3y=\ \ \ 15} \\ 5y=-10 \\ y=\ -2\end{eqnarray} \(y=-2\)を\((2)\)に代入すると、 \begin{eqnarray}x-2 &=& 5 \\ x &=& 7\end{eqnarray} よって、 \begin{cases}x=7 \\ y=-2\end{cases}