集合と要素
【集合と要素】
ある性質を持っているか持っていないかを明確に区別できるものの集まりを集合といい、集合に含まれる1つ1つのものをその集合の要素という。
\(a\)が集合\(A\)の要素であるとき、\(a\)は集合\(A\)に属するといい、\(a \in A\)と表す。
\(b\)が集合\(A\)の要素でないとき、\(b\)は集合\(A\)に属さないといい、\(b \notin A\)と表す。
【例題】素数を全体集合を\(A\)とする。このとき、次の数を\(\in\)または\(\notin\)を使って表しなさい。
(1)\(5\)
\(5 \in A\)
(2)\(2\)
\(2 \in A\)
(3)\(-3\)
\(-3 \notin A\)
集合の表し方
【集合の表し方】
集合を表すには、次の2通りの方法がある。
(1)全ての要素を書き並べる。
\(A=\{1,2,3,4\}\)
(2)要素を満たす条件を示す。
\(A=\{x|x<5,x\)は自然数\(\}\)
【例題】次の集合を、要素を書き並べて表しなさい。
(1)\(36\)の正の約数全体の集合\(A\)
\(A=\{1,2,3,4,6,9,12,18,36\}\)
(2)\(A=\{x|x\)は\(10\)以下の正の奇数\(\}\)
\(A=\{1,3,5,7,9\}\)
部分集合
【部分集合】
集合\(A\)の全ての要素が集合\(B\)の要素であるとき、\(A\)は\(B\)の部分集合であるという。
\(A\)が\(B\)の部分集合であるとき、
\(A\)は\(B\)に含まれる、または\(B\)は\(A\)を含むという。
\(A \subset B\)と表す。
【例題】\(A=\{1,2,3,4,5,6\}\)、\(B=\{1,2,3,6\}\)、\(C=\{x|x\)は\(6\)の正の約数\(\}\)のとき、次の集合の関係を答えなさい。
(1)\(A\)と\(B\)
\(A \supset B\)
(2)\(B\)と\(C\)
\(B=C\)
(3)\(C\)と\(A\)
\(C \subset A\)
【空集合】
要素が1つもない集合を空集合といい、\(ϕ\)で表す。
空集合\(ϕ\)は全ての集合の部分集合であると定める。
【例題】\(A=\{1,2,3\}\)の部分集合を答えなさい。
\(ϕ\)、\(\{1\}\)、\(\{2\}\)、\(\{3\}\)、\(\{1,2\}\)、\(\{1,3\}\)、\(\{2,3\}\)、\(\{1,2,3\}\)
共通部分と和集合
【共通部分】
2つの集合\(A\)と\(B\)の両方に属する要素全体の集合を\(A\)と\(B\)の共通部分という。
\(A\)と\(B\)の共通部分を\(A∩B\)と表す。
\(A∩B=\{x|x\in A\)かつ\(x\in B\}\)である。
【和集合】
2つの集合\(A\)と\(B\)の少なくとも一方に属する要素全体の集合を\(A\)と\(B\)の和集合という。
\(A\)と\(B\)の和集合を\(A∪B\)と表す。
\(A∪B=\{x|x\in A\)または\(x\in B\}\)である。
【例題】\(A=\{1,2,3,6\}\)、\(B=\{1,3,5,7,9\}\)のとき、次の集合を答えなさい。
(1)\(A∩B\)
\(A∩B=\{1,3\}\)
(2)\(A∪B\)
\(A∪B=\{1,2,3,5,6,7,9\}\)
補集合
全体集合と補集合
【補集合】
1つの集合\(U\)を定め、その中の部分集合について考えることが多い。このような\(U\)を全体集合という。
全体集合\(U\)の部分集合\(A\)に対して、\(U\)の要素で\(A\)に属さない要素全体を補集合といい、\(\overline{A}\)と表す。
\(\overline{A}=\{x|x\in U\)かつ\(x\notin A\}\)である。
【例題】\(U=\{1,2,3,4,5,6,7,8,9\}\)を全体集合とするとき、\(A=\{2,4,6,8\}\)の補集合\(\overline{A}\)を答えなさい。
\(\overline{A}=\{1,3,5,7,9\}\)
補集合の性質
【補集合の性質】
補集合の性質として、次のことが成り立つ。
(1)\(A∩\overline{A}=ϕ\)
(2)\(A∪\overline{A}=U\)
(3)\(\overline{\overline{A}}=A\)
(4)\(A\subset B\ \)ならば、\(\overline{A}\supset \overline{B}\ \)
【例題】\(U=\{1,2,3,4,5,6\}\)、\(A=\{1,3,5\}\)、\(B=\{1,2,3,6\}\)のとき、次の集合を答えなさい。
(1)\(\overline{A}\)
\(\overline{A}=\{2,4,6\}\)
(2)\(\overline{A∪B}\)
\(\overline{A∪B}=\{4\}\)
(3)\(\overline{A}∪\overline{B}\)
\(\overline{A}∪\overline{B}=\{2,4,5,6\}\)
ド・モルガンの法則
【ド・モルガンの法則】
補集合の性質として、次のことが成り立つ。
(1)\(\overline{A∪B}=\overline{A}∩\overline{B}\)
(2)\(\overline{A∩B}=\overline{A}∪\overline{B}\)
【例題】\(U=\{1,2,3,4,5,6\}\)、\(A=\{1,3,5\}\)、\(B=\{1,2,3,6\}\)のとき、次の集合を答えなさい。
(1)\(\overline{A∪B}\)
\(\overline{A∪B}=\{4\}\)
(2)\(\overline{A}∩\overline{B}\)
\(\overline{A}∩\overline{B}=\{4\}\)
(3)\(\overline{A∩B}\)
\(\overline{A∩B}=\{2,4,5,6\}\)
(4)\(\overline{A}∪\overline{B}\)
\(\overline{A}∪\overline{B}=\{2,4,5,6\}\)