除法の余りの性質
【除法の余りの性質】
整数\(a\)と自然数\(b\)に対して、
\(a=bq+r, 0\leqq r< b\)
を満たす整数\(q,r\)がただ\(1\)通りに決まる。\(a\)を\(b\)で割ったときの\(q\)を商、\(r\)を余りという。
【例題】\(a\)を\(7\)で割ると\(5\)余り、\(b\)を\(7\)で割ると\(4\)余る。次の数を\(7\)で割ったとき、余りを答えなさい。ただし、\(a,b\)を整数とする。
(1)\(a+b\)
\(k,l\)を自然数とおくと、\(a=7k+5,b=7l+4\)
\(a+b=(7k+5)+(7l+4)\)
\(\ \ \ \ \ \ \ \ =7(k+l+1)+2\)
よって、余りは\(2\)
(2)\(ab\)
\(k,l\)を自然数とおくと、\(a=7k+5,b=7l+4\)
\(ab=(7k+5)(7l+4)\)
\(\ \ \ \ =49kl+28k+35l+20\)
\(\ \ \ \ =7(7kl+4k+5l+2)+6\)
よって、余りは\(6\)
余りによる整数の分類
【余りによる整数の分類】
\(m\)を\(2\)以上の自然数として、整数を\(m\)で割ったときの余りで分類すると、全ての整数は次のいずれかの形で表される。
\(mk,mk+1,mk+2,・・・,mk+(m-1)\)
(\(k\)は整数)
【例題】奇数の\(2\)乗から\(1\)を引いた数は、\(8\)の倍数であることを証明しなさい。
整数\(k\)をおくと、奇数は\(2k+1\)
\((2k+1)^2-1\)
\(=4k^2+4k+1-1\)
\(=4k(k+1)\)
\(k,k+1\)は連続する整数なので、いずれかは\(2\)の倍数となり、
\(k(k+1)\)は\(2\)の倍数となる。
よって、
\(4k(k+1)\)は\(8\)の倍数である。