不定方程式の整数解
【不定方程式の整数解】
(1)不定方程式\(ax+by=c\)を成り立たせる1組の整数\(x,y\)を求め、代入する。
(2)不定方程式から(1)で代入した式を減算する。
(3)\(x=ak,y=-bk\)(\(k\)は整数)の形を利用して、整数解を求める。
【例題】次の方程式の整数解を全て求めなさい。
(1)\(5x+4y=1\)
\(x=1,y=-1\)は整数解の一つである。
\(5\times1+4\times(-1)=1\)
不定方程式から引くと、
\(5(x-1)+4(y+1)=0\)
\(5,4\)は互いに素であるので、
\(x-1=4k,y+1=-5k\)(\(k\)は整数)
よって、
\(x=4k+1,y=-5k-1\)(\(k\)は整数)
(2)\(20x+11y=3\)
\(20x+11y=1\)のとき、
\(x=5,y=-9\)は整数解の一つである。
両辺を\(3\)倍すると、
\(20\times15+11\times(-27)=3\)
不定方程式から引くと、
\(20(x-15)+11(y+27)=0\)
\(20,11\)は互いに素であるので、
\(x-15=11k,y+27=-20k\)(\(k\)は整数)
よって、
\(x=11k+15,y=-20k-27\)(\(k\)は整数)
(3)\(30x-13y=4\)
\(30x-13y=1\)のとき、
\(x=-3,y=-7\)は整数解の一つである。
両辺を\(4\)倍すると、
\(30\times(-12)-13\times(-28)=4\)
不定方程式から引くと、
\(30(x+12)+13(-y-28)=0\)
\(30,13\)は互いに素であるので、
\(x+12=13k,-y-28=-30k\)(\(k\)は整数)
よって、
\(x=13k-12,y=30k-28\)(\(k\)は整数)
不定方程式の活用
【例題】\(13\)で割ると\(5\)余り、\(12\)で割ると\(8\)余る自然数のうち、\(3\)桁で最小のものを求めなさい。
求める自然数を\(n\)とすると、
\(n=13x+5=12y+8\)
\(13x-12y=3\)
\(13x-12y=1\)のとき、
\(x=1,y=1\)は整数解の一つである。
両辺を\(3\)倍すると、
\(13\times3-12\times3=3\)
不定方程式から引くと、
\(13(x-3)+12(-y+3)=0\)
\(30,13\)は互いに素であるので、
\(x-3=12k,-y+3=-13k\)(\(k\)は整数)
\(x=12k+3,y=13k+3\)(\(k\)は整数)
よって、
\(n=13x+5\)
\(\ \ =13(12k+3)+5\)
\(\ \ =156k+44\)
\(3\)桁で最小となるのは、\(k=1\)のときで、
\(n=200\)