漸化式
【漸化式】
\(a_n\)と\(a_{n+1}\)との関係式を漸化式という。\(\displaystyle a_{n+1}=pa_n+q\)
\(a_1\)と合わせて数列の一般項を求めることができます。
【等差数列となる漸化式】
\(q\)を定数とするとき、\(\displaystyle a_{n+1}=a_n+q\)
この数列は初項\(a_1\)公差\(q\)の等差数列となるので、一般項は
\(\displaystyle a_n=a_1+(n-1)q\)
【等比数列となる漸化式】
\(p\)を定数とするとき、\(\displaystyle a_{n+1}=pa_n\)
この数列は初項\(a_1\)公比\(p\)の等比数列となるので、一般項は
\(\displaystyle a_n=a_1p^{n-1}\)
【階差数列となる漸化式】
\(f(n)\)を\(n\)の式とするとき、\(\displaystyle a_{n+1}=a_n+f(n)\)
この数列は\(f(n)\)が階差数列となるので、
一般項は\(n\geqq2\)のとき
\(\displaystyle a_{n}=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\)
また、\(n=1\)のとき成り立つことを確認して\(a_n\)を求める。
【例題】次の数列の一般項を求めなさい。
(1)\(\displaystyle a_1=2,a_{n+1}=a_n+3\)
初項:\(2\),公差:\(3\)の等差数列なので、一般項は
\(\displaystyle a_n=2+(n-1)・3\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =2+3n-3\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =3n-1\)
(2)\(\displaystyle a_1=3,a_{n+1}=5a_n\)
初項:\(3\),公比:\(5\)の等比数列なので、一般項は
\(\displaystyle a_n=3・5^{n-1}\)
(3)\(\displaystyle a_1=6,a_{n+1}=a_n+2n-1\)
階差数列\(b_n=2n-1\)なので、一般項は
\(n\geqq2\)のとき
\(\displaystyle a_{n}=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b(k)\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =6+\sum_{k=1}^{n-1}(2k-1)\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =6+2・\frac{1}{2}n(n-1)-(n-1)\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =6+n^2-n-n+1\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =n^2-2n+7\)
\(a_1=6\)なので、\(n=1\)のときも成り立つ。
よって、
\(\displaystyle a_n=n^2-2n+7\)
(4)\(\displaystyle a_1=2,a_{n+1}=a_n+3^n\)
階差数列\(b_n=3^n\)なので、一般項は
\(n\geqq2\)のとき
\(\displaystyle a_{n}=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b(k)\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =2+\sum_{k=1}^{n-1}3^k\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =2+\frac{3(3^{n-1}-1)}{3-1}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =2+\frac{3・3^{n-1}-3}{2}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =2+\frac{3^n-3}{2}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =\frac{3^n+1}{2}\)
\(a_1=2\)なので、\(n=1\)のときも成り立つ。
よって、
\(\displaystyle a_n=\frac{3^n+1}{2}\)
特性方程式を使う漸化式
【特性方程式を使う漸化式】
\(p,q\)を定数とし、\(p\neq1\)のとき、\(\displaystyle a_{n+1}=pa_n+q\)
1.\(a_{n+1}\)と\(a_n\)を\(c\)として、\(c\)の値を求める。
\(c=pc+q\)
2.\(c\)の値を使って、漸化式を次のように変形する。
\(a_{n+1}-c=p(a_n-c)\)
3.\(b_n=a_n-c\)とおく。
\(b_{n+1}=pb_n\)
4.\(b_n\)は公比:\(p\)の等比数列なので、一般項を求めることができ、\(b_n=a_n-c\)より、\(a_n\)の一般項を求めることができる。
【例題】次の数列の一般項を求めなさい。
(1)\(\displaystyle a_1=6,a_{n+1}=5a_n-4\)
与えられた漸化式を式変形すると、
\(a_{n+1}-1=5(a_n-1)\)
\(b_n=a_n-1\)とおく。
\(b_{n+1}=5b_n\)
\(b_1=a_1-1\)
\(\ \ \ \ =2-1\)
\(\ \ \ \ =1\)
初項\(1\)、公比\(5\)の等比数列なので、
\(\displaystyle b_n=5・5^{n-1}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =5^n\)
\(b_n=a_n-1\)より、
\(\displaystyle a_n=5^n+1\)
(2)\(\displaystyle a_1=1,a_{n+1}=3a_n+1\)
与えられた漸化式を式変形すると、
\(\displaystyle a_{n+1}+\frac{1}{2}=3\left(a_n+\frac{1}{2}\right)\)
\(\displaystyle b_n=a_n+\frac{1}{2}\)とおく。
\(\displaystyle b_{n+1}=3b_n\)
\(\displaystyle b_1=a_1+\frac{1}{2}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =1+\frac{1}{2}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =\frac{3}{2}\)
初項\(\displaystyle \frac{3}{2}\)、公比\(3\)の等比数列なので、
\(\displaystyle b_n=\frac{3}{2}・3^{n-1}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =\frac{3^n}{2}\)
\(\displaystyle b_n=a_n+\frac{1}{2}\)より、
\(\displaystyle a_n=\frac{3^n}{2}-\frac{1}{2}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ =\frac{3^n-1}{2}\)
隣接3項間の漸化式
【隣接3項間の漸化式】
\(p,q\)を定数とし、\(\displaystyle a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_n=0\)
1.\(a_{n+2}\)を\(c^2\)、\(a_{n+1}\)を\(c\)、\(a_n\)を\(1\)として、\(c\)の値を求める。
\(c^2+pc+q=0\)
2.\(c\)の解を\(\alpha_1,\alpha_2\)とすると、漸化式を次のように変形する。
\(a_{n+2}-\alpha_1a_{n+1}=\alpha_2(a_{n+1}-\alpha_1a_n)\)
\(a_{n+2}-\alpha_2a_{n+1}=\alpha_1(a_{n+1}-\alpha_2a_n)\)
3.それぞれの等比数列の一般項を求める。
【例題】次の数列の一般項を求めなさい。
\(\displaystyle a_1=1,a_2=2,a_{n+2}=a_{n+1}+6a_n\)
\(a_{n+2}\)を\(c^2\)、\(a_{n+1}\)を\(c\)、\(a_n\)を\(1\)とすると、
\(c^2-c-6=0\)
\(c=-2,3\)
与えられた漸化式を式変形すると、
\(a_{n+2}+2a_{n+1}=3(a_{n+1}+2a_n)\)
\(a_{n+2}-3a_{n+1}=-2(a_{n+1}-3a_n)\)
\(a_{n+1}+2a_n\)は初項:\(a_2+2a_1=4\)、公比:\(3\)の等比数列なので、
\(a_{n+1}+2a_n=4・3^{n-1}\)
\(a_{n+1}-3a_n\)は初項:\(a_2-3a_1=-1\)、公比:\(-2\)の等比数列なので、
\(a_{n+1}-3a_n=-1・(-2)^{n-1}\)
両辺を引くと、
\(5a_n=4・3^{n-1}+(-2)^{n-1}\)
\(\displaystyle a_n=\frac{4}{5}・3^{n-1}+\frac{1}{5}・(-2)^{n-1}\)