2-1-2 期待値と分散(要点)

確率変数の期待値

【確率変数の期待値】

確率変数\(X\)が次のような確率分布のように与えられたとき、
\(X\) \(x_1\) \(x_2\) \(x_3\) \(・・・\) \(x_n\)
\(P\) \(p_1\) \(p_2\) \(p_3\) \(・・・\) \(p_n\) 1
\(x_1p_1+x_2p_2+x_3p_3+・・・+x_np_n\)
を確率変数\(X\)の期待値または平均といい、\(E(X)\)で表す。

\(\displaystyle E(X)=x_1p_1+x_2p_2+x_3p_3+・・・+x_np_n\)
\(\displaystyle \ \ \ \ \ \ \ \ \ =\sum_{k=1}^{n}x_kp_k\)

【例題】次のような賞金がついている\(20\)本のくじがある。このくじを\(1\)本引くときの賞金の期待値を求めなさい。

賞金 本数
\(1\)等 \(10000\)円 \(1\)本
\(2\)等 \(1000\)円 \(3\)本
\(3\)等 \(100\)円 \(16\)本

確率変数の一次式の期待値

【確率変数の一次式の期待値】

確率変数\(X\)が次のような確率分布のように与えられたとき、
\(X\) \(x_1\) \(x_2\) \(x_3\) \(・・・\) \(x_n\)
\(P\) \(p_1\) \(p_2\) \(p_3\) \(・・・\) \(p_n\) 1
\(a,b\)を定数で、\(Y=aX+b\)のとき、
\(\displaystyle E(Y)=aE(X)+b\)

【例題】\(1\)個のさいころを\(1\)回投げるときの出る目を\(X\)とする。確率変数\(X\)の期待値を求めなさい。また、\(Y=2X-1\)で定められる確率変数\(Y\)の期待値を求めなさい。

確率変数の分散

【確率変数の分散】

確率変数\(X\)が次のような確率分布のように与えられ、
\(X\) \(x_1\) \(x_2\) \(x_3\) \(・・・\) \(x_n\)
\(P\) \(p_1\) \(p_2\) \(p_3\) \(・・・\) \(p_n\) 1
このとき、期待値が\(m\)であるとき、\(X-m\)を偏差という。 \((x_1-m)^2p_1+(x_2-m)^2p_2+(x_3-m)^2p_3+・・・+(x_n-m)^2p_n\)
を確率変数\(X\)の分散といい、\(V(X)\)で表す。

\(\displaystyle V(X)=(x_1-m)^2p_1+(x_2-m)^2p_2+(x_3-m)^2p_3+・・・+(x_n-m)^2p_n\)
\(\displaystyle \ \ \ \ \ \ \ \ \ =E((X-m)^2)\)
\(\displaystyle \ \ \ \ \ \ \ \ \ =\sum_{k=1}^{n}(x_k-m)^2p_k\)
\(\displaystyle \ \ \ \ \ \ \ \ \ =E(X^2)-\{E(X)\}^2\)

【例題】赤玉\(2\)個と白玉\(4\)個が入ってる袋から、\(3\)個の玉を取り出すとき、取り出した白玉の個数\(X\)の分散を求めなさい。

確率変数の一次式の分散

【確率変数の一次式の分散】

確率変数\(X\)が次のような確率分布のように与えられたとき、
\(X\) \(x_1\) \(x_2\) \(x_3\) \(・・・\) \(x_n\)
\(P\) \(p_1\) \(p_2\) \(p_3\) \(・・・\) \(p_n\) 1
\(a,b\)を定数で、\(Y=aX+b\)のとき、
\(\displaystyle V(Y)=a^2V(X)\)

【例題】\(1\)個のさいころを\(1\)回投げるときの出る目を\(X\)とする。確率変数\(X\)の分散を求めなさい。また、\(Y=2X-1\)で定められる確率変数\(Y\)の分散を求めなさい。

確率変数の標準偏差

【確率変数の標準偏差】

確率変数\(X\)が次のような確率分布のように与えられ、
\(X\) \(x_1\) \(x_2\) \(x_3\) \(・・・\) \(x_n\)
\(P\) \(p_1\) \(p_2\) \(p_3\) \(・・・\) \(p_n\) 1
このとき、分散が\(V(X)\)の平方根である \(\sqrt{(x_1-m)^2p_1+(x_2-m)^2p_2+(x_3-m)^2p_3+・・・+(x_n-m)^2p_n}\)
を確率変数\(X\)の標準偏差といい、\(\sigma(X)\)で表す。

\(\displaystyle \sigma(X)=\sqrt{V(X)}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ \ \ \ \ \ =\sqrt{(x_1-m)^2p_1+(x_2-m)^2p_2+(x_3-m)^2p_3+・・・+(x_n-m)^2p_n}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ \ \ \ \ \ =\sqrt{E((X-m)^2)}\)
\(\displaystyle \ \ \ \ \ \ \ \ \ =\sqrt{E(X^2)-\{E(X)\}^2}\)

【例題】赤玉\(2\)個と白玉\(4\)個が入ってる袋から、\(3\)個の玉を取り出すとき、取り出した白玉の個数\(X\)の標準偏差を求めなさい。

確率変数の一次式の標準偏差

【確率変数の一次式の標準偏差】

確率変数\(X\)が次のような確率分布のように与えられたとき、
\(X\) \(x_1\) \(x_2\) \(x_3\) \(・・・\) \(x_n\)
\(P\) \(p_1\) \(p_2\) \(p_3\) \(・・・\) \(p_n\) 1
\(a,b\)を定数で、\(Y=aX+b\)のとき、
\(\displaystyle \sigma(Y)=|a|\sigma(X)\)

【例題】\(1\)個のさいころを\(1\)回投げるときの出る目を\(X\)とする。確率変数\(X\)の標準偏差を求めなさい。また、\(Y=2X-1\)で定められる確率変数\(Y\)の標準偏差を求めなさい。

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1章 数列

1-1 等差数列と等比数列

1-2 いろいろな数列

1-3 数学的帰納法

2章 統計的な推測

2-1 確率分布

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1-1 等差数列と等比数列

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2-1 確率分布

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