2-2-2 正規分布(要点)

正規分布

【正規分布】

連続型確率変数\(X\)の確率密度関数\(f(x)\)が
\(\displaystyle f(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}e^{-\frac{(x-m)^2}{2\sigma^2}}\)
\(\pi\):円周率
\(e\):無理数(\(=\)2.817\(\cdots\))
\(m\):平均
\(\sigma\):標準偏差
で表されるとき、\(X\)は正規分布\(N(m,\sigma^2)\)に従うという。 このとき、平均は\(E(X)=m\)、標準偏差は\(\sigma(X)=\sigma\)になる。 また、\(y=f(x)\)のグラフを正規分布曲線という。

【正規分布曲線の性質】

x y O m σ=1 σ=3
・直線\(x=m\)(期待値)に関して左右対称な曲線で、\(f(x)\)は\(x=m\)で最大で、遠ざかるにつれて減少し\(0\)に近づく。(\(x\)軸が漸近線)
・標準偏差\(\sigma\)が大きくなるほど、山が低くなって横に広がる。

【標準正規分布】

z y O z0
平均\(0\)、標準偏差\(1\)の正規分布\(N(0,1)\)を標準正規分布という。
確率変数\(Z\)が標準正規分布\(N(0,1)\)に従うとき、\(Z\)が\(0\)と\(z_0\)の間の値をとる確率\(P(0\leqq Z\leqq z_0)\)はグレー部分の面積に等しい。
正規分布表は、\(P(0\leqq Z\leqq z_0)\)の値をまとめたものである。

【確率変数の標準化】

確率変数\(X\)が正規分布\(N(m,\sigma^2)\)に従うとき、\(\displaystyle Z=\frac{X-m}{\sigma}\)とおくと、確率変数\(Z\)は標準正規分布\(N(0,1)\)に従う。

【例題】次の正規分布表を見て答えなさい。

z y O z0
\(z_0\) \(.00\) \(.03\) \(.05\) \(.06\) \(.08\)
\(0.0\) \(\small 0.0000\) \(\small 0.0120\) \(\small 0.0199\) \(\small 0.0239\) \(\small 0.0319\)
\(0.2\) \(\small 0.0793\) \(\small 0.0910\) \(\small 0.0987\) \(\small 0.1026\) \(\small 0.1103\)
\(0.5\) \(\small 0.1915\) \(\small 0.2109\) \(\small 0.2088\) \(\small 0.2123\) \(\small 0.2190\)
\(0.7\) \(\small 0.2580\) \(\small 0.2673\) \(\small 0.2734\) \(\small 0.2764\) \(\small 0.2823\)
\(1.0\) \(\small 0.3413\) \(\small 0.3485\) \(\small 0.3531\) \(\small 0.3554\) \(\small 0.3599\)
\(1.9\) \(\small 0.4713\) \(\small 0.4732\) \(\small 0.4744\) \(\small 0.4750\) \(\small 0.4761\)
\(2.0\) \(\small 0.4772\) \(\small 0.4788\) \(\small 0.4798\) \(\small 0.4803\) \(\small 0.4812\)
\(2.3\) \(\small 0.4893\) \(\small 0.4901\) \(\small 0.4906\) \(\small 0.4909\) \(\small 0.4913\)
\(2.5\) \(\small 0.4938\) \(\small 0.4943\) \(\small 0.4946\) \(\small 0.4948\) \(\small 0.4951\)

(1)確率変数\(Z\)が標準正規分布\(N(0,1)\)に従うとき、次の確率を求めなさい。

①\(P(1\leqq Z\leqq 2)\)

②\(P(Z\leqq -0.7)\)

(2)確率変数\(X\)が正規分布\(N(6,3^2)\)に従うとき、\(P(3\leqq X\leqq 6)\)を求めなさい。

(3)\(200\)人の平均タイムが\(61.5\)秒、標準偏差が\(10.0\)秒のとき、\(59\)秒以上\(61\)秒以下のおよそ人数を求めなさい。

正規分布による二項分布の近似

【正規分布による二項分布の近似】

確率変数\(X\)が二項分布\(B(n,p)\)に従うとき、\(n\)が十分大きければ\(X\)は正規分布\(N(np,npq)\)に従うとみなしてよい。ただし、\(p+q=1\)

【標準正規分布による二項分布の近似】

確率変数\(X\)が二項分布\(B(n,p)\)に従うとき、\(n\)が十分大きければ
\(\displaystyle Z=\frac{X-np}{\sqrt{np(1-p)}}\)
とおくと、確率変数\(Z\)は標準正規分布\(N(0,1)\)に従うとみなしてよい。

【例題】排出確率が\(10%\)に設定されたガチャがある。このガチャを\(400\)回まわしたとき、\(43\)個以上出る確率を求めなさい。

1章 数列

1-1 等差数列と等比数列

1-2 いろいろな数列

1-3 数学的帰納法

2章 統計的な推測

2-1 確率分布

2-2 正規分布

2-3 統計的な推測

1章 数列

1-1 等差数列と等比数列

1-2 いろいろな数列

1-3 数学的帰納法

2章 統計的な推測

2-1 確率分布

2-2 正規分布

2-3 統計的な推測

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