2-3-2 推定(要点)

母平均の推定

【母平均の推定】

母集団の分布がもっている定数が未知のとき、与えられた標本から値を推測する方法を推定という。
正規分布表より、\(P(-1.96\leqq Z\leqq 1.96)=0.95\)であり、確率\(0.95\)の母平均\(m\)は以下が成り立つ。

\(\displaystyle \bar{x}-1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\leqq m \leqq \bar{x}+1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\)

これを母平均\(m\)に対する信頼度\(95\%\)の信頼区間という。

【例題】ある田の稲穂\(100\)本を調べたところ、\(1\)穂当たりの平均粒数が\(71.7\)粒、標準偏差が\(19.4\)粒だった。この田の稲の\(1\)穂当たりの平均粒数を信頼度\(95\%\)で区間推定しなさい。

母比率の推定

【母比率の推定】

母集団全体に対する比率を母比率といい、標本全体に対する比率を標本比率という。
正規分布表より、\(P(-1.96\leqq Z\leqq 1.96)=0.95\)であり、確率\(0.95\)の母比率\(p\)は以下が成り立つ。

\(\displaystyle \bar{p}-1.96\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\leqq p \leqq \bar{p}+1.96\sqrt{\frac{\bar{p}(1-\bar{p})}{n}}\)

これを母比率\(p\)に対する信頼度\(95\%\)の信頼区間という。

【例題】ある市の全世帯から\(400\)世帯を任意抽出して、ある政策に対する賛否を調べたところ、\(273\)世帯が賛成だった。全世帯における賛成の母比率\(p\)を信頼度\(95\%\)で区間推定しなさい。

仮説検定

【仮説検定】

得られたデータを元に仮説を立て、成り立っているか判断することを仮説検定という。
仮説検定であらかじめ定めておく、めったに起こらないと判断する確率を有意水準といい、\(5\%\)または\(1\%\)とすることが多い。
仮説で棄却される範囲を棄却域という。

【両側検定と片側検定】

棄却域(グレー部分)を分布の両側に設定する検定を両側検定という。
有意水準\(5\%\)の両側検定
z y O -1.96 1.96 2.5% 2.5%
有意水準\(1\%\)の両側検定
z y O -2.58 2.58 0.5% 0.5%
棄却域(グレー部分)を分布の片側に設定する検定を片側検定という。
有意水準\(5\%\)の片側検定
z y O 1.64 5%
有意水準\(1\%\)の片側検定
z y O 2.33 1%

【仮説検定の手順】

(1)めったに起こらない事象\(A\)が起こった場合、対立仮説\(H_1\)を立てる。
(2)\(H_1\)を否定する帰無仮説\(H_0\)を立てる。
(3)有意水準\(p_0\)をあらかじめ定め、仮説\(H_0\)から棄却域を求める。
(4)標本から得られた確率変数が棄却域に入るか調べて、仮説\(H_0\)が棄却できるかどうか判断する。

【例題】ある工場で作られているバターの内容量は、平均\(300g\)、標準偏差\(5.5g\)の正規分布に従っている。\(100\)個のバターを無作為に選ぶと、内容量の平均が\(298.7g\)だった。

(1)バターは正常に作られていると判断してよいか。有意水準\(5\%\)で検定しなさい。

(2)バターは正常に作られていると判断してよいか。有意水準\(1\%\)で検定しなさい。

(3)バターの内容量は\(300g\)より少ないと判断してよいか。有意水準\(1\%\)で検定しなさい。

1章 数列

1-1 等差数列と等比数列

1-2 いろいろな数列

1-3 数学的帰納法

2章 統計的な推測

2-1 確率分布

2-2 正規分布

2-3 統計的な推測

1章 数列

1-1 等差数列と等比数列

1-2 いろいろな数列

1-3 数学的帰納法

2章 統計的な推測

2-1 確率分布

2-2 正規分布

2-3 統計的な推測

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