【線形代数】4-1-1 正則行列の逆行列|要点まとめ

このページでは、大学数学の線形代数における「正則行列」の定義と「逆行列」の求め方について解説します。正則性と階数(rank)の同値関係や、行基本変形(掃き出し法)を用いた逆行列の具体的な計算ステップについて、例題を交えて分かりやすくまとめました。

正則行列の逆行列

【行列の正則性と階数】
\(n\)次正方行列\(A\)に対して、次の3条件は全て同値である。
(1)\(A\)は正則行列である。
(2)\(\mathrm{rank}(A)=n\)
(3)\(A\)は行基本変形により、単位行列に変形できる。

【正則行列の形】
\(n\)次正方行列\(A\)に対して、\(A\)が正則行列であるための必要十分条件は、\(A\)が基本行列の積で表されることである。

【逆行列の計算法】
\(n\)次正方行列\(A\)の右側に\(n\)次単位行列\(E_n\)を並べて得られる\(n\times2n\)行列\((A|E_n)\)を考える。
(1)\((A|E_n)\)を行基本変形して左半分の行列\(A\)を階段行列にする。このときの行基本変形を表す基本行列の積を\(B\)とすれば
\(B(A|E_n)=(BA|B)\)
であり、\(BA\)は階段行列とできる。
(2)\(\mathrm{rank}(BA)\neq n\)ならば、\(A\)は正則ではない。
(3)\(\mathrm{rank}(BA)= n\)ならば、\(\mathrm{rank}(A)= n\)となるので、\(A\)は正則である。さらに簡約階段行列まで行基本変形をすることで\(BA\)を単位行列に変形できる。この変形に対応する基本行列の積を\(C\)とすれば
\(C(BA|B)=(CBA|CB)=(E_n|CB)\)
となる。

【例題】次の逆行列を求めなさい。

(1)\(A=\begin{pmatrix}2 & 1 & -1 & 2 \\ 3 & 2 & 2 & 1 \\ 1 & 1 & 2 & 0 \\ -1 & 0 & 3 & -1\end{pmatrix}\)
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