確率の基本性質
\(A\)または\(B\)が起こる事象を\(A\)と\(B\)の和事象といい、\(A∪B\)と表す。
\(2\)つの事象\(A,B\)が同時に起こらないとき、\(A\)と\(B\)の排反事象といい、\(A∩B=ϕ\)と表す。
【確率の基本性質】
(1)どのような事象\(A\)に対しても\(0\leqq P(A)\leqq1\)
(2)全事象\(U\)の確率は\(P(U)=1\)
(3)空事象\(ϕ\)の確率は\(P(ϕ)=0\)
(4)確率の加法定理:\(2\)つの事象\(A,B\)が互いに排反のとき、\(P(A∪B)=P(A)+P(B)\)
【例題】\(1\)等、\(2\)等、\(3\)等の確率がそれぞれ\(\displaystyle \frac{5}{100},\frac{10}{100},\frac{30}{100}\)であるくじから\(1\)本くじを引くとき、、次の確率を求めなさい。
(1)\(1\)等または\(2\)等を引く確率
求める確率\(p\)は
\(\displaystyle p=\frac{5}{100}+\frac{10}{100}\)
\(\displaystyle \ \ =\frac{3}{20}\)
(2)当たりを引く確率
求める確率\(p\)は
\(\displaystyle p=\frac{5}{100}+\frac{10}{100}+\frac{30}{100}\)
\(\displaystyle \ \ =\frac{9}{20}\)
和事象の確率
【和事象の確率】
\(P(A∪B)=P(A)+P(B)-P(A∩B)\)
【例題】\(1\)から\(7\)までの数を一列に並べるとき、右端と左端が偶数である確率を求めなさい。
全ての並び方は\(7!\)(通り)
右端が偶数の並び方は\(3\times6!\)(通り)
左端が偶数の並び方は\(3\times6!\)(通り)
両端が偶数の並び方は\({}_3\mathrm{C}_2\times5!\)(通り)
求める確率\(p\)は
\(\displaystyle p=\frac{3\times6!}{7!}+\frac{3\times6!}{7!}-\frac{{}_3\mathrm{C}_2\times5!}{7!}\)
\(\displaystyle \ \ =\frac{3}{7}+\frac{3}{7}-\frac{1}{14}\)
\(\displaystyle \ \ =\frac{11}{14}\)
余事象の確率
【余事象の確率】
事象\(A\)に対して、\(A\)が起こらないという事象を\(A\)の余事象といい、\(\bar{A}\)と表す。
\(P(\bar{A})=1-P(A)\)
【例題】\(1\)から\(9\)までの数を\(3\)枚同時に引くとき、少なくとも\(1\)枚が奇数である確率を求めなさい。
全ての組合せは\({}_9\mathrm{C}_3\)(通り)
全て偶数である組合せは\({}_4\mathrm{C}_3\)(通り)
求める確率\(p\)は
\(\displaystyle p=1-\frac{{}_4\mathrm{C}_3}{{}_9\mathrm{C}_3}\)
\(\displaystyle \ \ =1-\frac{4・3・2}{9・8・7}\)
\(\displaystyle \ \ =1-\frac{1}{21}\)
\(\displaystyle \ \ =\frac{20}{21}\)