【線形代数】5-5-2 部分空間の直和|要点まとめ

大学数学の線形代数における「部分空間の直和(\(\oplus\))」について解説します。直和の定義や一意性の意味をはじめ、部分空間が直和になるための4つの必要十分条件(次元や共通部分 \(W_1 \cap W_2 = \{\mathbf{0}\}\) との関係)、さらに3個以上の直和への拡張まで、具体例と証明例題を交えて分かりやすくまとめています。

部分空間の直和

【直和】
\(W_1\)と\(W_2\)を\(V\)の部分空間とする。\(V\)が\(W_1\)と\(W_2\)の直和であるとは、任意の\(v\in V\)に対して、ある\(v_1\in W_1,v_2\in W_2\)が一意に存在して
\(v=v_1+v_2\)
と表せることである。このとき、\(V=W_1\oplus W_2\)と表す。

【直和であるための必要十分条件】
\(W_1\)と\(W_2\)を有限次元ベクトル空間\(V\)の部分空間とするとき、次の条件は全て同値である。
(1)\(V=W_1\oplus W_2\)
(2)\(w_1,\cdots,w_k\)を\(W_1\)の基底、\(w_{k+1},\cdots,w_{k+l}\)を\(W_2\)の基底とすると、\(w_1,\cdots,w_{k+l}\)は\(V\)の基底である。
(3)\(V=W_1+W_2\)かつ\(\dim V=\dim W_1+\dim W_2\)
(4)\(V=W_1+W_2\)かつ\(W_1\cap W_2=\{\mathbf{0}\}\)

【例題】次の\(\mathbb{R}^3\)の部分空間\(V\)、\(W_1\)、\(W_2\)に対して、\(V=W_1\oplus W_2\)が成り立つことを証明しなさい。

\(V=\left\{\left.\begin{pmatrix}x \\ y \\ z\end{pmatrix}\right|x-y+z=0\right\},\)\(W_1=\left\{\left.\begin{pmatrix}x \\ y \\ z\end{pmatrix}\right|x-y=0,z=0\right\},\)\(W_2=\left\{\left.\begin{pmatrix}x \\ y \\ z\end{pmatrix}\right|x=0,y-z=0\right\}\)

3個以上の部分空間の直和

【直和】
\(W_1,W_2,\cdots,W_k\)を\(V\)の部分空間とする。任意の\(v\in V\)が
\(v=v_1+v_2+\cdots+v_k\ \ (v_j\in W_j,j=1,2,\cdots,k)\)
の形で一意的に表されるとき、\(V\)は\(W_1,W_2,\cdots,W_k\)の直和であるといい、
\(V=W_1\oplus W_2\oplus\cdots\oplus W_k\)
と表す。

【直和であるための必要十分条件】
\(W_1,W_2,\cdots,W_k(k\geqq3)\)を\(V\)の部分空間とするとき、次の条件は全て同値である。
(1)\(V=W_1\oplus W_2\oplus\cdots\oplus W_k\)
(2)\(j=1,\cdots,k\)に対して\(w_1^{(j)},\cdots,w_{s_j}^{(j)}\)を\(W_j\)の基底とすると、\(\{w_p^{(j)}\}_{p=1,2,\cdots,s_j}^{j=1,2,\cdots,k}\)は\(V\)の基底である。
(3)\(V=W_1+W_2+\cdots+W_k\)かつ\(\dim V=\dim W_1+\dim W_2+\cdots+\dim W_k\)
(4)\(V=W_1+W_2+\cdots+W_k\)かつ\((W_1+\cdots+W_j)\cap W_{j+1}=\{\mathbf{0}\}\)\((j=1,2,\cdots,k-1)\)

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