1.\(x,y\)は実数、\(m,n\)は整数とすしたとき、次の条件の否定を答えなさい。
(1)\(x\)は無理数である。
\(x\)は有理数である。
(2)\(x\neq 0\)または\(y=0\)
\(x=0\)かつ\(y\neq 0\)
(3)\(x\leqq 0\)または\(y>0\)
\(x>0\)かつ\(y\leqq 0\)
(4)\(-2\leqq x< 1\)
\(x< -2,1\leqq x\)
(5)\(m,n\)はともに偶数である。
\(m\)または\(n\)は奇数である。
(6)\(x\neq 1\)
\(x=1\)
(7)\(x+y\geqq 2\)
\(x+y<2\)
(8)\(x\)は奇数である。
\(x\)は偶数である。
(9)\(x=2\)
\(x\neq 2\)
(10)\(-2< x\leqq 1\)
\(x\leqq -2,1< x\)
(11)\(x\)は\(3\)より小さい。
\(x\)は\(3\)以上。
(12)\(x< -1\)かつ\(y\geqq 0\)
\(x\leqq -1\)または\(y< 0\)
(13)\(x> 2\)または\(y\neq 0\)
\(x\leqq 2\)かつ\(y=0\)
(14)\(x,y\)の少なくとも一方は奇数である。
\(x,y\)は共に偶数である。
(15)\(x< 0\)または\(y< 0\)
\(x\geqq 0\)かつ\(y\geqq 0\)
(16)\(1< x\leqq 3\)
\(x\leqq 1,3< x\)
(17)\(a,b\)は共に無理数である。
\(a,b\)の少なくとも一方は有理数である。
2.\(x,y\)を実数としたとき、次の命題の逆の真偽を調べ、偽のときは反例を1つ示しなさい。
(1)\(x < y \Rightarrow x-y > 0\)である。
真
(2)\(x>0,y>0 \Rightarrow xy>0\)である。
偽
反例:\(x=-1,y=-2\)
(3)\(x\)が素数 \(\Rightarrow x\)は奇数である。
偽
反例:\(x=9\)
(4)\(x\)が\(3\)の倍数\(\Rightarrow x\)は\(9\)の倍数である。
真
3.\(x,y\)を実数、\(n\)を整数としたとき、次の命題の逆・裏・対偶の真偽を調べなさい。
(1)\(x^2\neq -x \Rightarrow x\neq -1\)
(a)逆
\(x\neq -1 \Rightarrow x^2\neq -x\)
真偽:偽
(b)裏
\(x^2= -x \Rightarrow x= -1\)
真偽:偽
(c)対偶
\(x= -1 \Rightarrow x^2= -x\)
真偽:真
(2)\(n\)は\(4\)の倍数\(\Rightarrow n\)は\(8\)の倍数
(a)逆
\(n\)は\(8\)の倍数\(\Rightarrow n\)は\(4\)の倍数
真偽:真
(b)裏
\(n\)は\(4\)の倍数ではない\(\Rightarrow n\)は\(8\)の倍数ではない
真偽:真
(c)対偶
\(n\)は\(8\)の倍数ではない\(\Rightarrow n\)は\(4\)の倍数ではない
真偽:偽
(3)\(x+y\)は有理数\(\Rightarrow x\)または\(y\)は有理数
(a)逆
\(x\)または\(y\)は有理数\(\Rightarrow x+y\)は有理数
真偽:偽
(b)裏
\(x+y\)は無理数\(\Rightarrow x\)かつ\(y\)は無理数
真偽:偽
(c)対偶
\(x\)かつ\(y\)は無理数\(\Rightarrow x+y\)は無理数
真偽:偽
4.\(x,y\)を実数、\(m,n\)を整数としたとき、次の命題を証明しなさい。
(1)\(n^2+4n+1\)が\(4\)の倍数ならば、\(n\)は奇数である。
命題の対偶は、
\(n\)が偶数ならば、\(n^2+4n+1\)は\(4\)の倍数でない。
\(n\)が偶数なので、\(k\)を整数とすると、\(n=2k\)
\begin{align}
n^2+4n+1 &= (2k)^2+4(2k)+1 \\
&= 4k^2+8k+1 \\
&= 4(k^2+2k)+1
\end{align}
\(k^2+2k\)は整数なので、\(n^2+4n+1\)は\(4\)の倍数でない。
よって、対偶が真であるので、命題は真である。
(2)\(mn\)が偶数ならば、\(m,n\)は少なくとも偶数である。
命題の対偶は、
\(m,n\)が共に奇数ならば、\(mn\)は奇数である。
\(m,n\)が奇数なので、\(k,l\)を整数とすると、\(m=2k+1,n=2l+1\)
\begin{align}
mn &= (2k+1)(2l+1) \\
&= 4kl+2k+2l+1 \\
&= 2(2kl+k+l)+1
\end{align}
\(2kl+k+l\)は整数なので、\(mn\)は共に奇数である。
よって、対偶が真であるので、命題は真である。
(3)\(n\)が\(3\)の倍数でないならば、\(n\)は\(6\)の倍数でない。
命題の対偶は、
\(n\)が\(6\)の倍数ならば、\(n\)は\(3\)の倍数である。
よって、対偶が真であるので、命題は真である。
(4)\(x+y>0\)ならば、\(x>0\)または\(y>0\)である。
命題の対偶は、
\(x\leqq 0\)かつ\(y\leqq 0\)ならば、\(x+y\leqq 0\)である。
よって、対偶が真であるので、命題は真である。
(5)\(n^2\)が\(3\)の倍数ならば、\(n\)は\(3\)の倍数である。
命題の対偶は、
\(n\)が\(3\)の倍数でないならば、\(n^2\)は\(3\)の倍数でない。
\(n\)が\(3\)の倍数でないので、\(k\)を整数とすると、\(n=3k+1\)または、\(n=3k+2\)
\(n=3k+1\)のとき
\(n^2=(3k+1)^2=9k^2+6k+1=3(3k^2+2k)+1\)
\(n=3k+2\)のとき
\(n^2=(3k+2)^2=9k^2+12k+4=3(3k^2+4k+1)+1\)
\(3k^2+2k,3k^2+4k+1\)は整数なので、\(n^2\)は\(3\)の倍数でない。
よって、対偶が真であるので、命題は真である。
(6)\(\sqrt{3}\)が無理数であることを用いて、\(1+2\sqrt{3}\)は無理数を証明しなさい。
\(1+2\sqrt{3}\)は無理数ではないと仮定すると、
\(1+2\sqrt{3}\)は有理数となる。
\(1+2\sqrt{3}=r\)とおくと、\(\displaystyle \sqrt{3}=\frac{r-1}{2}\)
\(r\)が有理数ならば、\(\displaystyle \frac{r-1}{2}\)も有理数であるので、
この等式は\(\sqrt{3}\)が無理数であることに矛盾する。
よって、\(1+2\sqrt{3}\)は無理数である。
(7)\(n\)が自然数のとき、\(n^2\)が\(3\)の倍数ならば、\(n\)は\(3\)の倍数であることを用いて、\(\sqrt{3}\)は無理数を証明しなさい。
\(\sqrt{3}\)は無理数ではないと仮定すると、
\(\sqrt{3}\)は有理数となる。
素な自然数\(m,n\)を用いて、
\(\displaystyle \sqrt{3}=\frac{m}{n}\)と表すことができる。
\(\sqrt{3}n=m\)
\(3n^2=m^2\)・・・(1)
これより、\(m^2\)は\(3\)の倍数であるから\(m\)も\(3\)の倍数である。
\(m\)は\(3\)の倍数なので、\(k\)を整数とすると、\(m=3k\)
(1)に代入すると、
\(3n^2=(3k)^2\)
\(n^2=3k^2\)
よって、\(n^2\)は\(3\)の倍数であり、\(n\)も\(3\)の倍数である。
\(m\)と\(n\)が共に\(3\)の倍数となることは、\(m\)と\(n\)が共に素であることに矛盾する。
よって、\(\sqrt{3}\)は無理数である。