【線形代数】6-3-2 線形写像の性質|要点まとめ
大学数学の線形代数における「線形写像の性質」をわかりやすく解説します。基底によって線形写像がただ1つ定まる性質をはじめ、合成写像・逆写像の仕組みや、単射性と一次独立性の関係、さらにベクトル空間の同型についての要点を具体的な例題とともにコンパクトにまとめています。
線形写像の性質
【線形写像の性質】
\(v_1,v_2,\cdots,v_n\)を\(V\)の基底、\(w_1,w_2,\cdots,w_n\)を\(W\)のベクトルとする。このとき、線形写像\(f:V\longrightarrow W\)で\(f(v_j)=w_j(j=1,2,\cdots,n)\)を満たすものがただ1つ存在する。
【線形写像の合成】
\(V,W,Z\)を\(\mathbb{K}\)上のベクトル空間とし、\(f:V\longrightarrow W,g:W\longrightarrow Z\)を共に線形写像とする。
(1)合成写像\(g\circ f:V\longrightarrow Z\)は線形写像である。
(2)\(f\)が全単射ならば、逆写像\(f^{-1}:W\longrightarrow V\)も線形写像である。
【例題】次の証明をしなさい。
また、「\(f(\mathbf{x})=\mathbf{0}\)ならば\(\mathbf{x}=\mathbf{0}\)」が成り立つとする。
\(\mathbf{x},\mathbf{y}\in V\)に対して\(f(\mathbf{x})=f(\mathbf{y})\)とすると、\(f\)の線形性より
\(\mathbf{0}=f(\mathbf{x})-f(\mathbf{y})=f(\mathbf{x}-\mathbf{y})\)
よって、命題は成り立つ。
\(c_1f(v_1)+c_2f(v_2)+\cdots+c_nf(v_n)=\mathbf{0}\)
\(f(c_1v_1+c_2v_2+\cdots+c_nv_n)=\mathbf{0}\)
\(f\)は単射なので
\(c_1v_1+c_2v_2+\cdots+c_nv_n=\mathbf{0}\)
\(v_1,v_2,\cdots,v_n\)は一次独立なので、\(c_1=c_2=\cdots=c_n=0\)が成り立つ。
よって、
\(f(v_1),f(v_2),\cdots,f(v_n)\)は一次独立である。
ベクトル空間の同型
【同型写像】
線形写像\(f:V\longrightarrow W\)が全単射ならば、\(f\)を同型写像という。このとき、\(V\)と\(W\)は同型であるといい、\(V\cong W\)で表す。
【同型写像の性質】
\(\mathbb{K}\)上の有限次元ベクトル空間\(V\)と\(W\)が同型であるための必要十分条件は
\(\dim V=\dim W\)
が成り立つことである。