【線形代数】8-1-2 実ベクトルの長さ|要点まとめ
大学数学の線形代数で学ぶ「実ベクトルの長さ」の定義と性質について要点をまとめました。ノルムの基本性質、シュワルツの不等式、三角不等式から具体的な計算例まで分かりやすく解説します。
実ベクトルの長さ
【ベクトルの長さ】
\(V\)を実計量ベクトル空間とし、\((\cdot,\cdot)\)を\(V\)の内積とする。このとき、ベクトル\(\boldsymbol{a}\in V\)に対して
\(\|\boldsymbol{a}\|=\sqrt{(\boldsymbol{a},\boldsymbol{a})}\)
を\(\boldsymbol{a}\)の長さという。特に、長さが\(1\)であるベクトルを単位ベクトルという。
【長さの性質】
\(V\)を実計量ベクトル空間とし、\((\cdot,\cdot)\)を\(V\)の内積、\(\|\cdot\|\)をこの内積から定まる長さとする。このとき、任意のベクトル\(\boldsymbol{a},\boldsymbol{b}\in V\)とスカラー\(\alpha\in\mathbb{R}\)に対して、次が成り立つ。
(1)\(\|\boldsymbol{a}\|\geqq0\)であり、\(\|\boldsymbol{a}\|=0\)となるのは\(\boldsymbol{a}=\boldsymbol{0}\)のときに限る。
(2)\(\|\alpha\boldsymbol{a}\|=|\alpha|\|\boldsymbol{a}\|\)
(3)(三平方の定理)\(\boldsymbol{a}\perp\boldsymbol{b}\)のとき、\(\|\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}\|^2=\|\boldsymbol{a}\|^2+\|\boldsymbol{b}\|^2\)
(4)(中線定理)\(\|\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}\|^2+\|\boldsymbol{a}-\boldsymbol{b}\|^2=2(\|\boldsymbol{a}\|^2+\|\boldsymbol{b}\|^2)\)
【シュワルツの不等式】
実計量ベクトル空間\(V\)の任意のベクトル\(\boldsymbol{a},\boldsymbol{b}\in V\)に対して
\(|(\boldsymbol{a},\boldsymbol{b})|\leqq\|\boldsymbol{a}\|\|\boldsymbol{b}\|\)
が成り立つ。
【三角不等式】
実計量ベクトル空間\(V\)の任意のベクトル\(\boldsymbol{a},\boldsymbol{b}\in V\)に対して
\(\|\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}\|\leqq\|\boldsymbol{a}\|+\|\boldsymbol{b}\|\)
が成り立つ。
【例題】実ベクトル空間\(\mathbb{R}^4\)に標準内積を与える。次のベクトルの長さを求めなさい。
\(\|v\|^2=3^2+(-1)^2+4^2+(-2)^2\)
\(=9+1+16+4\)
\(=30\)
よって、\(\|v\|=\sqrt{30}\)
\(\|v\|^2=(-2)^2+5^2+0^2+3^2\)
\(=4+25+0+9\)
\(=38\)
よって、\(\|v\|=\sqrt{38}\)
\(\|v\|^2=6^2+(-3)^2+(-1)^2+2^2\)
\(=36+9+1+4\)
\(=50\)
よって、\(\|v\|=5\sqrt{2}\)