【線形代数】7-1-2 固有空間|要点まとめ

大学数学の線形代数における「固有空間」の定義から、具体的な求め方、次元の性質、固有空間の直和性まで分かりやすく解説します。さらに、行列の固有空間の計算や、線形変換(微分作用素など)における固有空間の基底を求める実践的な例題を通じて、理解を深めることができます。

固有空間

【固有空間】
\(A\in M_n(\mathbb{C})\)とし、\(\lambda\in\mathbb{C}\)を\(A\)の固有値とする。このとき
\(V(\lambda)=\{v\in\mathbb{C}^n|Av=\lambda v\}\)
とおき、\(V(\lambda)\)を\(A\)の固有値\(\lambda\)の固有空間という。

【固有空間の直和性】
\(\mu_1,\mu_2,\cdots,\mu_m\in\mathbb{C}\)を\(A\in M_n(\mathbb{C})\)の相異なる固有値とする。このとき
\(V(\mu_1)+V(\mu_2)+\cdots+V(\mu_m)\)
が成り立つ。

【固有空間の次元】
\(\mu\)を\(A\in M_n(\mathbb{C})\)の固有値とし、\(l\)を\(\mu\)の重複度とする。このとき
\(1\leqq \dim V(\mu)\leqq l\)
が成り立つ。つまり、固有空間\(V(\mu)\)の次元は\(\mu\)の重複度を超えることはない。

【例題】次の行列の固有値と固有空間の次元と基底を求めなさい。

\(A=\begin{pmatrix}-2 & 2 & 2 \\ 0 & 2 & 4 \\ 0 & -1 & -3\end{pmatrix}\)

線形変換の固有値・固有ベクトル

【線形変換の固有値・固有ベクトル】
\(\lambda\in\mathbb{K}\)が\(f\)の固有値であるとは
\(f(v)=\lambda v\)
となる零でないベクトル\(v\in V\)が存在することである。このとき、\(v\)を\(\lambda\)に対する\(f\)の固有ベクトルという。

【例題】2変数\(x\)と\(y\)についての二次斉次実多項式全体のなす実ベクトル空間を\(V\)としたとき、\(D\)の固有値と固有空間の基底を求めなさい。

\(V=\{ax^2+bxy+cy^2|a,b,c\in\mathbb{R}\}\)
線形変換\(D:V\longrightarrow V\)を
\(\displaystyle D(u)=y\frac{\partial u}{\partial x}+x\frac{\partial u}{\partial y}\ \ (u=u(x,y)\in V)\)
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