【微分積分】4-8-3 ラプラス変換と常微分方程式|要点まとめ
このページでは、大学数学の微分積分で扱う「ラプラス変換と常微分方程式」について整理します。ラプラス変換の定義・基本公式・変換表の使い方から、微分方程式をラプラス変換で解く流れや典型的な計算例まで、重要ポイントをわかりやすく解説します。初等的な解法では複雑になる微分方程式を、ラプラス変換を用いて効率よく解くための基礎力を身につけていきましょう。
ラプラス変換の定義と基本的な性質
【ラプラス変換】
関数\(f(t)\)は区間\([0,\infty)\)において不定積分をもつとする。このとき、次が広義積分
\(\displaystyle \int_0^{\infty}f(t)e^{-st}dt\)
が収束するような実数\(s\)に対して
\(\displaystyle F(s)=\int_0^{\infty}f(t)e^{-st}dt\)
とおく。この関数\(F(s)\)を\(f(t)\)のラプラス変換といい、\(\mathfrak{L}[f(t)](s)=F(s)\)で表す。また、\(F(s)\)から\(f(t)\)への対応を逆ラプラス変換といい、\(\mathfrak{L}^{-1}[f(s)](t)=f(t)\)で表す。
【初等関数のラプラス変換】
\(\omega\)は実数とし、\(n\)は自然数とする。
(1)\(\displaystyle \mathfrak{L}[e^{\omega t}](s)=\frac{1}{s-\omega}\ \ \ (s>\omega)\)
(2)\(\displaystyle \mathfrak{L}[t^{n}](s)=\frac{n!}{s^{n+1}}\ \ \ (s>0)\)
(3)\(\displaystyle \mathfrak{L}[\cos\omega t](s)=\frac{s}{s^2+\omega^2}\ \ \ (s>0)\)
(4)\(\displaystyle \mathfrak{L}[\sin\omega t](s)=\frac{\omega}{s^2+\omega^2}\ \ \ (s>0)\)
(5)\(\displaystyle \mathfrak{L}[\cosh\omega t](s)=\frac{s}{s^2-\omega^2}\ \ \ (s>|\omega|)\)
(6)\(\displaystyle \mathfrak{L}[\sinh\omega t](s)=\frac{\omega}{s^2-\omega^2}\ \ \ (s>|\omega|)\)
【ラプラス変換可能であるための十分条件】
関数\(f(t)\)は区間\([0,\infty)\)上で連続で、ある定数\(\alpha\)と正の定数\(M\)に対して
\(|f(t)|\leqq Me^{\alpha t}\ \ \ (t\geqq0)\)
を満たすとき、\(s>\alpha\)である\(s\)に対して\(\mathfrak{L}[f(t)](s)\)は定義される。
【ラプラス変換の線形性】
関数\(f(t)\)と\(g(t)\)は共に区間\([0,\infty)\)上で連続で、\(s>\alpha\)でラプラス変換可能とする。また、\(a,b\)を実数としたとき、\(s>\alpha\)に対して
\(\mathfrak{L}[af(t)+bg(t)](s)\)
\(\ \ \ =a\mathfrak{L}[f(t)](s)+b\mathfrak{L}[g(t)](s)\)
が成り立つ。
【導関数のラプラス変換】
関数\(f(t)\)は区間\([0,\infty)\)上で\(C^1\)級で、ある定数\(\alpha\)と正の定数\(M\)に対して
\(|f(t)|\leqq Me^{\alpha t}\ \ \ (t\geqq0)\)
を満たすとき、\(s>\alpha\)に対して
\(\mathfrak{L}[f'(t)](s)=s\mathfrak{L}[f(t)](s)-f(0)\)
が成り立つ。
常微分方程式の基本とラプラス変換による解法
【例題】次の微分方程式の解\(y=y(t)\)求めなさい。