【微分積分】6-1-2 2変数関数の極限|要点まとめ
このページでは、多変数解析における基礎概念である「2変数関数の極限」について整理します。1変数関数の極限との違いに注意しながら、極限の定義の考え方や、極限が存在するかを判断するための基本的な方針を解説します。さらに、2変数関数の極限が満たす基本的な性質を確認し、今後学ぶ連続性や偏微分へとつながる基礎理解を身につけていきましょう。
2変数関数の極限の定義と考え方
【2変数関数の極限】
関数\(f(x,y)\)は点\(\boldsymbol{a}=(a,b)\)の近傍上で定義されているとする(ただし、点\(\boldsymbol{a}\)では定義されていなくてもよい)。このとき、ある実数\(\alpha\)が存在して「任意の\(\varepsilon>0\)に対して、ある\(\delta(\varepsilon)>0\)が存在し
\(0\neq||\boldsymbol{x}-\boldsymbol{a}||<\delta(\varepsilon)\)
を満たす任意の\(\boldsymbol{x}=(x,y)\)について
\(|f(x,y)-\alpha|<\varepsilon\)
となる」という条件を満たすとき、点\((a,b)\)で\(f(x,y)\)は\(\alpha\)に収束するといい、
\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}f(x,y)=\alpha\)
または、
\(f(x,y)\to\alpha\ \ \ (\boldsymbol{x}\to\boldsymbol{a})\)
のように表す。また、どのような実数にも収束しないとき発散するという。
【例題】次の極限を求めなさい。
2変数関数の極限の基本性質
【2変数関数の極限の性質】
\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}f(x,y)=\alpha,\lim_{(x,y)\to(a,b)}g(x,y)=\beta\)であるとき、次が成り立つ。
(1)\(\lambda,\mu\in\mathbb{R}\)に対して\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}\{\lambda f(x,y)+\mu g(x,y)\}=\lambda\alpha+\mu\beta\)
(2)\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}f(x,y)g(x,y)=\alpha\beta\)
(3)\(\beta\neq0\)ならば、\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}\frac{f(x,y)}{g(x,y)}=\frac{\alpha}{\beta}\)
(4)\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}|f(x,y)|=|\alpha|\)
【極限の大小関係の保存】
点\((a,b)\)のある近傍上の点\((x,y)\neq(a,b)\)について
\(f(x,y)\leqq g(x,y)\)
が成り立ち、
\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}f(x,y)=\alpha,\lim_{(x,y)\to(a,b)}g(x,y)=\beta\)
であるとき、
\(\alpha\leqq\beta\)
が成り立つ。
【はさみうちの定理】
点\((a,b)\)のある近傍上の点\((x,y)\neq(a,b)\)について
\(|f(x,y)-\alpha|\leqq g(x,y)\)
が成り立ち、
\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}g(x,y)=0\)
であるとき、
\(\displaystyle \lim_{(x,y)\to(a,b)}f(x,y)=\alpha\)
が成り立つ。