【微分積分】7-6-4 極値の計算|要点まとめ
このページでは、2変数関数のヘッセ行列およびヘッシアン(行列式)の定義と計算方法、ならびに停留点における極大・極小の判定条件についてわかりやすく解説・整理します。
極値の計算
【極値の計算例】
\(C^2\)級関数\(f(x,y)\)の極値を求める手順
(1)\(f(x,y)\)の停留点\(f_x=f_y=0\)となる点を全て求める。
(2)\(f(x,y)\)のヘッセ行列\(H(x,y)\)を計算する。
(3)各停留点のヘッセ行列の行列式の符号を調べて、極値を取るための十分条件を適用する。
【例題】次の関数の極値を求めなさい。
(1)\(f(x,y)=-x^2+xy-y^2+x\)
\(f_x(x,y)=-2x+y+1=0\)
\(f_y(x,y)=x-2y=0\)
連立方程式を解くと、
\(\displaystyle x=\frac{2}{3},y=\frac{1}{3}\)
停留点は\(\displaystyle \left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)\)
\(f_{xx}=-2\)
\(f_{yy}=-2\)
\(f_{xy}=1\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}-2 & 1 \\ 1 & -2\end{pmatrix}\)
ヘッシアンは
\(\displaystyle \det H_f\left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)=3>0\)
また、\(\displaystyle f_{xx}\left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)=-2<0\)なので、極大。
よって、
\(\displaystyle f\left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)=\frac{1}{3}\)が極大をとる。
\(f_y(x,y)=x-2y=0\)
連立方程式を解くと、
\(\displaystyle x=\frac{2}{3},y=\frac{1}{3}\)
停留点は\(\displaystyle \left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)\)
\(f_{xx}=-2\)
\(f_{yy}=-2\)
\(f_{xy}=1\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}-2 & 1 \\ 1 & -2\end{pmatrix}\)
ヘッシアンは
\(\displaystyle \det H_f\left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)=3>0\)
また、\(\displaystyle f_{xx}\left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)=-2<0\)なので、極大。
よって、
\(\displaystyle f\left(\frac{2}{3},\frac{1}{3}\right)=\frac{1}{3}\)が極大をとる。
(2)\(f(x,y)=x^3-6xy+3y^2\)
\(f_x(x,y)=3x^2-6y=0\)
\(f_y(x,y)=-6x+6y=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=0,y=0\)、\(x=2,y=2\)
停留点は\((0,0),(2,2)\)
\(f_{xx}=6x\)
\(f_{yy}=6\)
\(f_{xy}=-6\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}6x & -6 \\ -6 & 6\end{pmatrix}\)
・\((0,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(0,0)=-36<0\)なので、極値をとらない。
・\((2,2)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(2,2)=36>0\)
また、\(f_{xx}(2,2)=12>0\)なので、極小。
よって、
\(f(2,2)=-4\)が極小をとる。
\(f_y(x,y)=-6x+6y=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=0,y=0\)、\(x=2,y=2\)
停留点は\((0,0),(2,2)\)
\(f_{xx}=6x\)
\(f_{yy}=6\)
\(f_{xy}=-6\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}6x & -6 \\ -6 & 6\end{pmatrix}\)
・\((0,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(0,0)=-36<0\)なので、極値をとらない。
・\((2,2)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(2,2)=36>0\)
また、\(f_{xx}(2,2)=12>0\)なので、極小。
よって、
\(f(2,2)=-4\)が極小をとる。
(3)\(f(x,y)=x^3+3xy^2-3x^2-3y^2-1\)
\(f_x(x,y)=3x^2+3y^2-6x=0\)
\(f_y(x,y)=6xy-6y=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=0,y=0\)、\(x=2,y=0\)、\(x=1,y=1\)、\(x=1,y=-1\)
停留点は\((0,0),(2,0),(1,1),(1,-1)\)
\(f_{xx}=6x-6\)
\(f_{yy}=6x-6\)
\(f_{xy}=6y\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}6x-6 & 6y \\ 6y & 6x-6\end{pmatrix}\)
・\((0,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(0,0)=36>0\)
また、\(f_{xx}(0,0)=-6<0\)なので、極大。
・\((2,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(2,0)=36>0\)
また、\(f_{xx}(2,0)=6>0\)なので、極小。
・\((1,1),(1,-1)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(1,1)=\det H_f(1,-1)=-36<0\)なので、極値をとらない。
よって、
\(f(0,0)=-1\)が極大をとり、\(f(2,0)=-5\)が極小をとる。
\(f_y(x,y)=6xy-6y=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=0,y=0\)、\(x=2,y=0\)、\(x=1,y=1\)、\(x=1,y=-1\)
停留点は\((0,0),(2,0),(1,1),(1,-1)\)
\(f_{xx}=6x-6\)
\(f_{yy}=6x-6\)
\(f_{xy}=6y\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}6x-6 & 6y \\ 6y & 6x-6\end{pmatrix}\)
・\((0,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(0,0)=36>0\)
また、\(f_{xx}(0,0)=-6<0\)なので、極大。
・\((2,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(2,0)=36>0\)
また、\(f_{xx}(2,0)=6>0\)なので、極小。
・\((1,1),(1,-1)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(1,1)=\det H_f(1,-1)=-36<0\)なので、極値をとらない。
よって、
\(f(0,0)=-1\)が極大をとり、\(f(2,0)=-5\)が極小をとる。
(4)\(\displaystyle f(x,y)=xy+\frac{x-y}{xy}\)
\(\displaystyle f_x(x,y)=y+\frac{1}{x^2}=0\)
\(\displaystyle f_y(x,y)=x-\frac{1}{y^2}=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=1,y=-1\)
停留点は\((1,-1)\)
\(\displaystyle f_{xx}=-\frac{2}{x^3}\)
\(\displaystyle f_{yy}=\frac{2}{y^3}\)
\(f_{xy}=1\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}\displaystyle -\frac{2}{x^3} & 1 \\ 1 & \displaystyle \frac{2}{y^3}\end{pmatrix}\)
ヘッシアンは
\(\det H_f(1,-1)=3>0\)
また、\(f_{xx}(1,-1)=-2<0\)なので、極大。
よって、
\(f(1,-1)=-3\)が極大をとる。
\(\displaystyle f_y(x,y)=x-\frac{1}{y^2}=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=1,y=-1\)
停留点は\((1,-1)\)
\(\displaystyle f_{xx}=-\frac{2}{x^3}\)
\(\displaystyle f_{yy}=\frac{2}{y^3}\)
\(f_{xy}=1\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}\displaystyle -\frac{2}{x^3} & 1 \\ 1 & \displaystyle \frac{2}{y^3}\end{pmatrix}\)
ヘッシアンは
\(\det H_f(1,-1)=3>0\)
また、\(f_{xx}(1,-1)=-2<0\)なので、極大。
よって、
\(f(1,-1)=-3\)が極大をとる。
(5)\(f(x,y)=x^4+y^4-2x^2+4xy-2y^2\)
\(f_x(x,y)=4x^3-4x+4y=0\)
\(f_y(x,y)=4y^3+4x-4y=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=0,y=0\)、\(x=\sqrt{2},y=-\sqrt{2}\)、\(x=-\sqrt{2},y=\sqrt{2}\)
停留点は\((0,0),(\sqrt{2},-\sqrt{2}),(-\sqrt{2},\sqrt{2})\)
\(f_{xx}=12x^2-4\)
\(f_{yy}=12y^2-4\)
\(f_{xy}=4\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}12x^2-4 & 4 \\ 4 & 12y^2-4\end{pmatrix}\)
・\((0,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(0,0)=0\)
\(f(0,0)\)が極値かどうか判断できないので、\(y=x\)上と\(x\)軸上での\(f(x,y)\)の値をそれぞれ考える。
\(f(x,x)=2x^4>0\ \ (x\neq0)\)
\(f(x,0)=x^4-2x^2<0\ \ (0<|x|<\sqrt{2})\)
より、\((0,0)\)の近傍で\(f(0,0)=0\)から増加する方向と減少する方向がある。すなわち、\((0,0)\)は極値ではない。
・\((\sqrt{2},-\sqrt{2}),(-\sqrt{2},\sqrt{2})\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(\sqrt{2},-\sqrt{2})=\det H_f(-\sqrt{2},\sqrt{2})=384>0\)
また、\(f_{xx}(\sqrt{2},-\sqrt{2})=f_{xx}(-\sqrt{2},\sqrt{2})=20>0\)なので、極小
よって、
\(f(\sqrt{2},-\sqrt{2})=f(-\sqrt{2},\sqrt{2})=-8\)が極小をとる。
\(f_y(x,y)=4y^3+4x-4y=0\)
連立方程式を解くと、
\(x=0,y=0\)、\(x=\sqrt{2},y=-\sqrt{2}\)、\(x=-\sqrt{2},y=\sqrt{2}\)
停留点は\((0,0),(\sqrt{2},-\sqrt{2}),(-\sqrt{2},\sqrt{2})\)
\(f_{xx}=12x^2-4\)
\(f_{yy}=12y^2-4\)
\(f_{xy}=4\)
ヘッセ行列は
\(H_f(x,y)=\begin{pmatrix}12x^2-4 & 4 \\ 4 & 12y^2-4\end{pmatrix}\)
・\((0,0)\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(0,0)=0\)
\(f(0,0)\)が極値かどうか判断できないので、\(y=x\)上と\(x\)軸上での\(f(x,y)\)の値をそれぞれ考える。
\(f(x,x)=2x^4>0\ \ (x\neq0)\)
\(f(x,0)=x^4-2x^2<0\ \ (0<|x|<\sqrt{2})\)
より、\((0,0)\)の近傍で\(f(0,0)=0\)から増加する方向と減少する方向がある。すなわち、\((0,0)\)は極値ではない。
・\((\sqrt{2},-\sqrt{2}),(-\sqrt{2},\sqrt{2})\)のとき
ヘッシアンは
\(\det H_f(\sqrt{2},-\sqrt{2})=\det H_f(-\sqrt{2},\sqrt{2})=384>0\)
また、\(f_{xx}(\sqrt{2},-\sqrt{2})=f_{xx}(-\sqrt{2},\sqrt{2})=20>0\)なので、極小
よって、
\(f(\sqrt{2},-\sqrt{2})=f(-\sqrt{2},\sqrt{2})=-8\)が極小をとる。
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