【微分積分】7-8-5 3変数関数の極値|要点まとめ

このページでは、大学数学で扱う「変数が3個以上の多変数関数の極値」について解説します。極値の定義や停留点の考え方に加え、ヘッセ行列(ヘッシアン)の固有値や主小行列式を用いた極値判定法をまとめています。具体的な微分計算と判定プロセスを確認できる例題付きです。

変数が3個以上の多変数関数の極値

【極値】
関数\(f(\boldsymbol{x})\)に対して、ある\(\delta>0\)が存在して
\(f(\boldsymbol{x})> f(\boldsymbol{a})\ \ \ (\boldsymbol{x}\in U_\delta(\boldsymbol{a}),\boldsymbol{x}\neq\boldsymbol{a})\)
となるとき、\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n)\)で極小であるといい、\(f(\boldsymbol{a})\)を極小値という。
また、ある\(\delta>0\)が存在して
\(f(\boldsymbol{x})< f(\boldsymbol{a})\ \ \ (\boldsymbol{x}\in U_\delta(\boldsymbol{a}),\boldsymbol{x}\neq\boldsymbol{a})\)
となるとき、\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n)\)で極大であるといい、\(f(\boldsymbol{a})\)を極大値という。
極大値と極小値をまとめて極値という。

【広義の極値】
関数\(f(\boldsymbol{x})\)に対して、ある\(\delta>0\)が存在して
\(f(\boldsymbol{x})\geqq f(\boldsymbol{a})\ \ \ (\boldsymbol{x}\in U_\delta(\boldsymbol{a}),\boldsymbol{x}\neq\boldsymbol{a})\)
となるとき、\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n)\)で広義の極小であるといい、\(f(\boldsymbol{a})\)を広義の極小値という。
また、ある\(\delta>0\)が存在して
\(f(\boldsymbol{x})\leqq f(\boldsymbol{a})\ \ \ (\boldsymbol{x}\in U_\delta(\boldsymbol{a}),\boldsymbol{x}\neq\boldsymbol{a})\)
となるとき、\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n)\)で広義の極大であるといい、\(f(\boldsymbol{a})\)を広義の極大値という。
広義の極大値と広義の極小値をまとめて広義の極値という。

【極値の必要条件】
関数\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n)\)で極値をとり、かつ偏微分可能とする。このとき、
\(f_{x_1}(\boldsymbol{a})=f_{x_2}(\boldsymbol{a})=\cdots=f_{x_n}(\boldsymbol{a})=0\)
が成り立つ。

【停留点】
関数\(f(\boldsymbol{x})\)は偏微分可能とする。このとき、
\(f_{x_1}(\boldsymbol{a})=f_{x_2}(\boldsymbol{a})=\cdots=f_{x_n}(\boldsymbol{a})=0\)
となる点\(\boldsymbol{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n)\)を\(f(\boldsymbol{x})\)の停留点(臨界点)という。

【極値の判定法】
関数\(f(x,y)\)は点\((a,b)\)の近傍で\(C^2\)級で、さらに\((a,b)\)は\(f(x,y)\)の停留点とする。
(1)\(\det H_f(a,b)>0,f_{xx}(a,b)>0\)ならば、\(f(x,y)\)は点\((a,b)\)で極小となる。
(2)\(\det H_f(a,b)>0,f_{xx}(a,b)<0\)ならば、\(f(x,y)\)は点\((a,b)\)で極大となる。
(3)\(\det H_f(a,b)<0\)ならば、\(f(x,y)\)は点\((a,b)\)で極大でも極小でもない。

【極値を取るための十分条件】
関数\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}=(a_1,a_2,\cdots,a_n)\)の近傍で\(C^2\)級で、さらに\(\boldsymbol{a}\)は\(f(\boldsymbol{x})\)の停留点とする。このとき、\(f(\boldsymbol{x})\)のヘッセ行列\(H_f(\boldsymbol{x})\)について
(1)\(H_f(\boldsymbol{a})\)の\(n\)個の固有値が全て正ならば、\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}\)で極小となる。
(2)\(H_f(\boldsymbol{a})\)の\(n\)個の固有値が全て負ならば、\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}\)で極大となる。
(3)\(H_f(\boldsymbol{a})\)が正の固有値と負の固有値をもつならば、\(f(\boldsymbol{x})\)は点\(\boldsymbol{a}\)で極大でも極小でもない。

【例題】次の極値を求めなさい。

\(x^3+y^2+z^3-3xz-4y\)
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